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2011.02.01 Tuesday
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2010.02.16 Tuesday
カッコいい
きっと体調不良のせいもある。
ニュースで流れていたVTRにやられた。
バンクーバーのモーグル決勝のあと、上村愛子がインタビューに答えたセリフで久々にかなり泣けた。
”お母さんに、わたしカッコ良かったでしょ!って言いたい”
バックグラウンドが見える言葉。
彼女はメディアに祭り上げられて、良くも悪くもスターになった。
実力は当然だけど、世間の求めるビジュアルや環境や人間性を含めて”売れる”要素があった。
トップクラスのアスリートにとって、
メディアに取り上げられることは自分自身を良い意味で追い込む発奮材料にもなるし、
応援してくれるファンが増えることで結果を出す為の刺激にもモチベーションにも繋がると思う。
ただそれと同時に気が狂いそうなほどのプレッシャーを背負わされることになる。
そりゃ結果を出せれば万々歳、メディアもファンも一斉に祝福ムード一色になることは目に見えてんだけど、負けたらどうなるか。
結果を待ち望んでくれるファンはもちろんすごく大事。
彼らが彼女の本当の努力の経過を知る術はないし、知る必要もない。
上村愛子は好成績を残した。
でも、彼女自身と世の中が期待するメダルには手が届かなかった。
涙でぐしゃぐしゃの顔で笑顔を作りながら、
彼女が発した言葉の中で僕の涙腺を最も刺激したのは、結果など望まない、一番そばで経過を見守り続けた母親に向けた言葉だった。
”お母さんに、わたしカッコ良かったでしょ!って言いたい”
母ちゃんが精神的なシェルターになってたんだろうな。
アスリートこそ精神と肉体のバランスがうまくとれてなきゃ結果が残せるわけもないし。
上村愛子に限らず、良い意味での逃げ場や救いがなきゃ人間きっとダメになるよ。
それにしても、”カッコいい”って言葉好き。
ビジュアル、生き方、声、センス、作品やものにも使えるちょっと抽象的な表現だし、ともすれば稚拙な言い回しにも聞こえるけど、老若男女これ言われて気分害する奴なかなかいないでしょ。
母ちゃんから見た上村愛子は、当たり前のように最初から結果度外視で最高にカッコ良かったんだろうな。
そして正確には覚えてないけどそんな母ちゃんに向けて彼女はこうも言ってた。
”お母さんにもカッコいいって言ってあげたい”って。
▲ 中村僚 | - | 00:20 | comments(4) | trackbacks(0)
2010.02.15 Monday
そのナース
その病院に行くといつも強く願うことがある。
あのナースに付いて欲しい。
喉まで何度となく出掛けて飲み込んだ言葉。
”あのナースにお願い出来ないですか?”
診療中に彼女が横切っただけで圧倒的な安心感が芽生えるのだ。
年の頃推定30歳前後、外見ごく普通、黒髪のセミロングヘアーに眼鏡。
特別セクシーなわけでも、極端に良い匂いがするわけでも、必要以上に優しいわけでもない。
彼女は点滴の腕が抜群なのである。
昔からめちゃくちゃ注射嫌いの僕が唯一ほとんど痛みを感じない点滴の技術を持っている。
チクリともしないと言っても過言じゃないぐらい、迅速で正確なテクニック、そして針を抜いた後の出血もほとんど無いし、傷口がどこかさえもほとんどわからないほど。
去年の秋あたりからもう20回ぐらいは点滴を受けに行っているが、そのうち半分ぐらいは彼女にやってもらってるんじゃないかな。
事務的な会話しかしたことはないし、彼女のプライベートに興味を抱いたことも無い。
とにかく点滴のバッグを持って名前さえ知らないそのナースが現れるとえも言われぬ喜びを感じるし、
言葉は悪いが、他のナースが来ようものなら”帰れ”だの”チェンジ”だのと無意識に腹の中で連呼している自分がいる。
週末からまた体調を崩して今日その病院に行って来たのだが、
見事にその彼女が点滴一式を手にベッドサイドに颯爽と現れた。
僕の中で圧倒的な信頼があるのでだいぶリラックスして体を預ける感じ。
今日はね、珍しく若干痛かったよ。
まぁ神様じゃあるまいしそんな日もあるさ。
施術の迅速さや手際の良さは相変わらず一流だったけどね。
と自分の文章を見返して思ったけどここまで来るともはやファンだな…
今回痛かったけど、確率から言ってみれば次は多分痛くないし。
次回はドクターに勇気を出して言ってみよう。
”30歳ぐらいの黒髪セミロングに眼鏡の看護士さんに点滴お願いしたいんですけど”ってね。
やっぱ言えないわ。
恥ずかしい。
寝よっと。
▲ 中村僚 | LIFE | 15:24 | comments(6) | trackbacks(0)
2010.02.08 Monday
頑張る?
以前から多少引っ掛かる言葉があった。
あくまで個人的な考え方だから気に食わなかったら無視してほしい。
『頑張る、頑張れ』
この世間的にどちらかといえばポジティブで美しいイメージのワードが前々から何だかしっくり入ってこなかった。
根拠は無いし、僕がひねくれてるだけかもしれないんだけど、”頑張れ”という響きにどことなく強要や上目線のニュアンスが若干含まれているイメージがあった。
”頑張る”という言葉にも何となくやらされている感がちらついて、無理矢理自分を鼓舞しているような雰囲気を感じて少し馴染めなかった。
もちろん自ら使うこともあるし、そのメッセージをありがたく受け入れることもしばしばあるんだけど。
つい最近きっかけがあってまたこの言葉について考えさせられた。
先月末友人から一報が入った。
共通の仲間でかれこれ10年来の友人が年末にバイクで大事故を起こして入院しているという。
完全に相手の不注意のもらい事故でバイクは大破、そのまま救急車で搬送されて緊急の手術になったらしい。
就職が決まったばかりで、心機一転新しい年を迎える直前の出来事だった。
命に別状は無く、脊髄や脳がノーダメージだったのは不幸中の幸いだったが数カ所の複雑骨折でいつ退院出来るかもわからないほどの重傷。
手術を繰り返して、常人では考えられないほどの決断を迫られたと聞いた。
彼を見舞うとき、一体どんな顔をして何をしゃべったらいいんだろうと考えた。
エレベーターが止まって、病室に歩を進める度に尋常じゃないほど胸が高鳴った。
病室に入ると、家族や親戚に囲まれている彼を見つけた。
目が合った瞬間、飛び込んで来たのは今までと変わらない屈託の無い笑顔だった。
こいつ強いなって思ったよ。
自分が同じ立場だったらどうだったんだろう。
悔しいんだろうな、痛いんだろうな、やり切れない気持ちで一杯なんだろうな。
もしかしたら誰にも会いたくなかったかもしれないし、どんなに親切な気持ちでも受け入れる余裕なんてなかったかもしれない。
全ての言葉が哀れみや同情に聞こえて耳を塞ぎたくなったかもしれない。
たくさん乗り越えたんだろうな。
もしくは乗り越えようとしてるんだろう。
ベッド脇に飾られたたくさんの千羽鶴の束やメッセージをバックに親戚の小さな子供に囲まれて笑っている彼を見てたくさんの感情が一気に交錯した。
何度となく繰り返したであろう事故の経緯を話してくれた後、これからが”新しいスタート”だと言った。
何だか、激励しようとしていた自分が少し恥ずかしくなったよ。
人それぞれ考え方があるから否定は出来ないけど、この時”頑張れ”って言葉ほどナンセンスなワードはないなって思った。
最近暴力沙汰で引退に追い込まれた朝青龍も、事件の発端は”頑張れ”っていう激励の言葉だって聞いた。
人格や品格とかの次元の話はさておいて、本人の死にものぐるいの葛藤や努力や経緯も知らないで発するにはいささかポップに過ぎる言葉だなという感じはするな。
もちろん”頑張れ”と言う側に悪気なんてあるわけもないし、むしろ激励や愛情すら込もっているのは当然なんだろうけどね。
言葉って難しいな。
結局は心の中に湧いた感情を、既存の単語に当てはめているだけだからね。
どうやっても適当な言葉が見つからなくてもどかしかった。
ほんとに他愛も無い話と、退院したら気心の知れた仲間数人で懐かしい温泉宿に行く約束だけして病院を出たよ。
気持ちさえ通じれば言葉なんていらないよ、っていうのがありふれた答えなのかもしれないけど、言葉と向き合っている仕事をしている以上、言葉っていう形にしていつか答えが出せればいいなって思う。
好きな仲間、好きな酒、好きなタバコの煙に囲まれてバカ騒ぎできる日が1日でも早く来ればいいな。
とりあえず入院中にナース友達を可能な限り増やすっていう義務をしっかり果たすまでは出て来れないけどね。
▲ 中村僚 | FRIENDS | 19:47 | comments(7) | trackbacks(0)
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